寒竹 美佐子 に訊く
デザインオフィス ゼフィア

まずは貴社の業務内容を教えて下さい。
空間デザイン・インテリアコーディネートです。マンション・住宅だけでなく、店舗・オフィスの空間デザインも取り扱います。そのイメージにつながる内装・外装・インテリアまで関わるので、トータル空間プロデュースですね。
お客様はどのような方々になるのですか?
マンションデベロッパー様やハウスメーカー様が多いのですが、最近これまでになかった方面での仕事が増えています。例えばマンションリニューアルを始め、通販会社の撮影用のブースデザインや癒しの空間を求めて、全面白色基調にしたスナックなんかも最近手がけさせていただきました。住宅産業は今も主なフィールドですが、これからはもっと様々なカテゴリーの空間デザインに関わってみたいですね。例えば、テーマパーク化させた店舗などの空間デザインに結構アイデアをためています。
面白そうですね。手がけられたら是非教えて下さいね。では、創業期のことをお話いただけますか?
独立したのは2001年10月です。その時期に様々なことが重なったことがきっかけになりました。まずは、某大手のデザイン会社に勤務していましたが、会社の方針によりインテリアデザインの仕事より、営業職が強くなっていったのが大きかったですね。職種が変わりはじめて、まだまだインテリアデザインのことをもっと学びたいと強く考えていた時期でしたので、退職を考えました。そんな時、ある書物に出会ったのも独立への背中を押してくれましたね。
その人生の選択を促した書物とはなんでしょう?
ベストセラーにもなった『チーズはどこに消えた?』(スペンサー・ジョンソン著)です。これは自分の立ち位置がわからなくなった人には、参考までに読んでみたら?と今でも勧めています。大変短く読みやすい本ですけど、読者が個々に照らし合わせ、考えてしまう内容です。チーズを幸せの代名詞に置き換えて、“人生の選択”を考えさせるのです。そのデザイン会社にはもう私のチーズが残ってないなぁ・・・と考えましたね。
興味深い独立へのステップですが、最終的に決め手になったことは何でしょう?
環境の変化や自分の中で啓示的な書物との出会いで、もうほとんど独立しようと決心していましたが、最後のふんぎりが2001年9月11日に起こったアメリカの同時多発テロですね。あのように人は突然、死を迎えてしまうことがあるんだ、亡くなられた方々はまだまだやりたいことが一杯あっただろうに・・・と思いを馳せたら『今やりたいことをやろう!後でやっとけばよかったなんて人生だけは過ごしたくない!』テロの起こった翌月の10月にはもう独立していました(笑)。人生観を表現したと言えば聞こえがいいのですが、やはり創業期は不安がありました。
それはどんな不安だったのでしょう?
一番は、継続的に仕事が入ってくるのか?という不安でした。以前より独立志向はあったのでそれなりの準備はしてきてはいたものの、現実となると毎日不安との闘いでしたね。ある日こう考えたのです。こんな気持ちで好きな仕事に取り組んでも意味がない。独立したのは不安を囲うためでなく、自分の想いを社会に試すためだと。そのためにはこの不安を解消する環境を築こうと考えました。
不安を解消する環境ですか?起業家には大変興味あるテーマですね。
何も特別なことではないのです。来月仕事が全く無い場合でも、食べていけるだけのお金をプールしただけなのです。それが出来るとじゃ2ヶ月仕事が無くても、3ヶ月無くても・・・と資金をプールしていきました。おかしなもので、その環境を自分で作ると、何故か次々に仕事が入り始めたんですね。おかげで創業以来、仕事が途絶えたことがほとんど無いのです。
それは凄いですね。仕事が途絶えないコツみたいなものがあるのでしょうか?
コツですか・・・コツと言えるのかどうかはわかりませんが、どんな小さな仕事でも、利益が全く無いことでも、取り組んできたことは確かです。それを基本姿勢にしてきました。そうしてると、お客様から継続的に仕事が入ってくるんですね。人のつながりとかご縁を大切にすることが重要だと思っています。お客様には本当に感謝しています。
では寒竹先生がどんな方向へ向かうのでしょう?
今の仕事は、自分が好きで選んだ仕事ですが、独立前と独立後では意識の持ち方が全然違います。様々な責任は全部自分が負わないといけません。仕事の多寡の不安はそこそこに解消出来ていると思いますが、まだまだ時間の使い方を学ばなければならないと思います。時間に追われる仕事環境をなんとか克服したいと思いますね。それと空間デザインの完全自社プロデュースの数を増やしていきたいですね。人材の育成も重要です。人を信じて、任せる質量を徐々に増やしていきたいと考えています。それが時間の使い方にもつながってくるのでしょうね。
では最後にこれから独立しようとする方へのメッセージをお願いします。
単純なことですが、独立したいと思うならした方が良いのではないかと思います。でも、その思いだけでは上手くいかない。強い思いを持つべきだと考えています。『この仕事で独立したい!』と思うのであれば、その世界のことを他の人に負けたくないと思うくらい、徹底的に勉強しなければならないと思うのです。それが出来ないのであれば、それほどその仕事は好きではないのでしょう。好きな世界でもっと上手くなりたい、もっと腕を上げたい、もっと知りたいという意欲が必要な気がします。どんな些細なこと、どんな小さなことでも、好きな世界のことならとことん関心を持ち、深めてみる姿勢が欲しいですね。
本日はありがとうございました。

寒竹先生は本当に明るい。その明るさは彼女自身の未来を照らしながら輝いているように思われる。さらに先手管理を着実に打つ経営観は、起業家諸氏の手本となるであろう。将来構想を語る寒竹先生の目の輝きは、相対する者へ“この方はいつかは成し遂げるな・・・”と思わせるのである。
デザインオフィス ゼフィア
■代表者
寒竹 美佐子
■設立
2001年1月
■本社
〒812-0016 福岡市博多区博多駅南1-9-8 ケイアイビル501-34
TEL:092-441-1051
