渡邊 一郎(社会保険労務士 渡辺事務所)|プログレスする人々

渡邊 一郎 に訊く

社会保険労務士 渡辺事務所

いきなりですが、渡邊先生、ご結婚おめでとうございます!

ありがとうございます(笑)。

お仕事にもまた違った張りや気合が入られてるのでは?

そうですね。仕事とまた違った責任という世界が増えましたので、気を引き締めながら楽しんでますよ(笑)。

社会保険労務士と資格の存在は知っていても、意外と業務内容は知られてないように思うのですが?

そうですね。関連業務の幅が広い士業のひとつでしょうね。主としては、社会保険・労働保険の手続業務に助成金の申請代行、就業規則作成や賃金制度の構築、さらに人事労務に関する相談対応といったところでしょうね。企業経営の中に当たり前のように行われている手続業務も含まれてますし、コンサル的な要素もありますので、それでかえって業務内容が目立たないのかもしれません。


そういった企業コンサル以外のお仕事は?

3年前から行政協力の一環で、労働時間関係のアドバイザーをやらせてもらっています。企業経営者や人事担当者のご相談に対して法的助言を行っています。



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起業家との接点はございますか?

はい。もともと開業した時から創業支援というテーマも柱のひとつとして取り組んできましたので、今のお客様はほとんど創業前や創業時からのおつき合いですね。設立時からの縁がありますので、私自身の思い入れも大きいですよ。企業の成長の一端を任されているわけですから、経営者といつも真剣勝負でお話させていただいています。

創業前後にどのようなアドバイスをされるのですか?

やはり雇用の心構えですね。『人を雇うということはどういうことか?』というテーマにアドバイスをさせていただいています。こんなデータがあるのですが・・・09年度における労働基準監督署への相談件数は、どのくらいあったと思われます? 福岡だけで実に約18,400件もあったのです。監督署の稼動日を考えれば、1日80件弱の相談が寄せられています。大半が賃金や解雇に関することですが、その他は労働時間や待遇面など様々です。中には会社への告訴まで発展していくケースも珍しくありません。


18,400件とは驚きですね。不当な扱いに従業員は黙っていないと?

泣き寝入りしなくなっているということです。現実としてこのような現象が起こっているのも、社会の情報化が大きく起因しています。労働者を守る法律は従来よりあったのですが、従業員はその知識を入手するすべを知りませんでした。しかし、今は端末があれば法律の情報などすぐに入手できますし、他人の体験談などもたくさん出ています。



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経営者は一層襟を正さなければなりませんね。

そういう時代になってきたということです。これだけ多いと、もう他人事ではない。だから、私は起業家に、最低限守るべきことは押さえた上で、予測出来得るトラブルに備え、さらに上を目指して頂きたいのです。それは経営者の意識次第なんですね。もっと言うと人に対する経営哲学を明確に持ってもらいたいということです。「人を雇うということは、その人自身や家族の生活をも担うこと」と言っても過言ではないのですから。

従業員を守るということはわかるのですが、あまりケアしすぎると経営のバランスに影響を及ぼし、経営そのものに支障が起こりませんか?

もちろん、ただ甘やかすということではありません。やはり、基本となるのは『給料』すなわち『人件費』についてキチンと考えることなのです。コストについてはシビアだけど、給料については、安易に決めてしまう経営者が実に多い。もちろん、額については、ちゃんと考えてあるのですよ。バランスシートも考え、かつ、これぐらい払わないと生活できないだろう、そこまで思い遣ってある。けれど、この給料は払うけれど、社会保険料や残業代なんて払えない。このようにスタートするから、後でトラブルのもとになるのです。




どういうことでしょう?
社員想いじゃないかと思うのですが?

私は経営者に、今度採用する人に、会社として総額でいくら払えるかを尋ねます。そうすると、会社負担分も含めた社会保険料や、必要な残業代も見込んでもなお、最低賃金を十分上回っているというケースが非常に多い。つまり逆に言えば、最初から、そこまで見込んで給料を決めているか、ということなのです。その上で、月々、これだけの給料は保証してあげたい、というのであれば、残業はやってやらなくても、例えば、最初から20時間分を固定給として支給してあげる。これを超えて残業する必要があれば、当然別途支給しなければならないわけですが、そもそも就業時間内で仕事に集中させ、無駄な残業はさせない、という意識付けをすれば、仕事効率も上がるわけです。サービス残業という発想が生まれないように最初から手を打つのです。経営上も計算が立ちます。

なるほど。
最初からそう決めておけば問題ないですね。

はい、最低限のトラブルは防げるのではないかと。もっとも、人間同士ですから、様々なトラブルが起こる可能性は0ではないのです。しかし、給与や未払い残業に関するトラブルは、直接金銭に結びつくので、経営を左右するリスクは大きく軽減できるのではないかと。




う~ん・・・渡邊先生、次の備えは?

おそらく、先ほど言いました経営哲学に帰結するのだと思います。様々な企業経営を見てきて、上手くいっている会社とそうでない会社は経営者の差と思うのです。情が篤いだけだと社内の規律は乱れるし、理でがんじがらめだと人は閉塞し活力を失う・・・情理のバランスが大切だと思うのです。従業員にとって働きやすく、かつ、その能力を会社のために発揮してもらうには、情理を巧みに発するしか無いと考えています。

人についての話は尽きないですね。では最後にこれからの渡辺事務所はどのような道を歩まれていかれるのでしょう?

もっと企業経営者のお役に立ちたいですね。大きくは2つの柱を考えています。まず、時代の影響からか社内の各部門を外部委託する傾向が加速しています。経理部門は会計会社に、開発部門は製造メーカーに、営業部門はWEB運営会社にと・・・私の専門分野でもある人事の部門も例外ではないと思います。<社外総務部>という発想です。人事・労務・総務を統括したタスクフォースとしてのかかわり方ですね。もう一つは、経営者の方は魅力的な人が多いのですが、法令に対する知識不足というだけで、無用なトラブルに足をとられて、元来持つ大きなパワーを発揮出来ないでいる方もたくさんいます。そんな経営者の方と一緒に、経営者も従業員もハッピーになれる魅力的な組織作りのお手伝いをしたいですね。

本日はありがとうございました。


渡邊先生にいつも感じるのは聡明な人物ということである。情理に聡く、義理に篤く、道理に明るい。お客様である企業経営者は、「私の名参謀!」「俺の最高の右腕!」「会社の守護神!」など賛辞を秘め、渡邊先生を頼りにしていることだろう。もう一度、自分の経営哲学を考え直してみる気になってきた。


社会保険労務士 渡辺事務所

■代表者
 渡邊 一郎
■設立
 2006年
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 〒812-0016 福岡市博多区博多駅南1-9-8 ケイアイビル501-4
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